投資不動産の売却にかかる税金について説明します。
不動産売却関して注意すべき点は1点、それは、不動産保有期間5年以内に売却する場合と、購入から5年を過ぎて売却した場合とで負担する税金が約2倍も異なることです。
不動産取得日から、譲渡した日が属する1月1日までの保有期間が5年以内に売却する場合は、短期譲渡所得として譲渡所得の39%(うち、9%は住民税)がかかります。5年を超えて売却する場合は、長期譲渡所得として譲渡所得の20%(うち、5%は住民税)がかかります。
つまり、5年以内に売却すると、39%もの税金がかかってしまうため、売却益狙いで不動産を手放す場合はまずは5年間は保有した方がお得です。なお、不動産売却時の課税計算は、給与所得と合算して行うことができません。分離課税として計算します。もし不動産売却損が発生した場合も給与所得と合算することはできません。
譲渡所得とは、不動産購入時の取得費用や売却時の費用も引いて計算します。仲介手数料も、経費として除くことができます。また、建物については、保有期間中に経費として計上した減価償却費は引いて計算するため、つまり、建物割合が大きい場合、償却年数が短い場合は保有期間中の減価償却費を多く計上しているため、建物は減価され譲渡所得は大きくなります。
もし、取得時に、短期で売却を考えるなら、不動産の建物割合よりも土地割合を多くすることにより減価償却費を少なくして売却益を圧縮することができます。
ROI(投資収益率)とは、最初の投資金額に対して年間何パーセントの回収ができたかを意味します。ROIの計算方法は次の通りです。
ROI(%) = 年間キャッシュフロー ÷ 最初の投資金額 × 100
例えば、500万円の資金と銀行借入2500万円を合計して3000万円の不動産を購入したところ、賃料等の年間回収金額から経費等を除いたキャッシュフローが250万円だった場合、
ROI(%) = 250万円 ÷ 500万円 × 100 = 50%
になります。最初の投資資金500万円のうち、50%の250万円を回収できたという意味です。
ここで重要なことは、不動産の購入総額に対する回収割合でなく、投資した自己資金に対する回収割合であることです。上記例で、最初に自己資金を現金で3000万円投下した場合に、年間回収額が250万円だった場合は、
ROI(%) = 250万円 ÷ 3000万円 × 100 = 8.3%
となります。銀行から融資を受けて不動産を購入することにより、最初の金額に対する回収割合は通常大きくなります。これをレバレッジ効果と言い、銀行からの借り入れ割合が大きい程、ROIは大きくなります。
用途地域(ようとちいき)とは、住居系、商業系、工業系など市街地の土地利用を定めるもので、都市計画法により定められています。それぞれの地域にふさわしい発展を促進することを目的としています。用途地域には、大きく次の12種類があります。
| 種類 | 内容 | ||
|---|---|---|---|
| 住 居 系 |
1 | 第一種低層住居専用地域 | 低層住宅の良好な住環境を守るための地域。住居を兼ねた一定条件の店舗や、小規模な公共施設、小中学校、診療所などを建てることができる。 |
| 2 | 第二種低層住居専用地域 | 主に低層住宅の良好な住環境を守るための地域。150m²までの一定条件の店舗等を建てることができる。/td> | |
| 3 | 第一種中高層住居専用地域 | 中高層住宅の良好な住環境を守るための地域。500m²までの一定条件の店舗等が建てられる。中規模な公共施設、病院・大学なども建てることができる。 | |
| 4 | 第二種中高層住居専用地域 | 主に中高層住宅の良好な住環境を守るための地域。1500m²までの一定条件の店舗や事務所等を建てることができる。 | |
| 5 | 第一種住居地域 | 住居の環境を保護するための地域。3000m²までの一定条件の店舗・事務所・ホテル等や、環境影響の小さいごく小規模な工場を建てることができる。 | |
| 6 | 第二種住居地域 | 主に住居の環境を保護するための地域。10000m²までの一定条件の店舗・事務所・ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス等や、環境影響の小さいごく小規模な工場を建てることができる。 | |
| 7 | 準住居地域 | 道路の沿道等において、自動車関連施設などと、住居が調和した環境を保護するための地域。10000m²までの一定条件の店舗・事務所・ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス等や、小規模の映画館、車庫・倉庫、環境影響の小さいごく小規模な工場を建てることができる。 | |
| 商 業 系 |
8 | 近隣商業地域 | 近隣の住民が日用品の買物をする店舗等の、業務の利便の増進を図る地域。ほとんどの商業施設・事務所のほか、住宅・店舗・ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス等のほか、映画館、車庫・倉庫、小規模の工場を建てることができる。延べ床面積規制が無いため、場合によっては中規模以上の建築物が建つ。 |
| 9 | 商業地域 | 主に商業等の業務の利便の増進を図る地域。ほとんどの商業施設・事務所、住宅・店舗・ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス等、映画館、車庫・倉庫、小規模の工場の他、広義の風俗営業および性風俗関連特殊営業関係の施設も建てることができる。延べ床面積規制が無く、容積率限度も相当高いため、高層ビル群も建てられる。 | |
| 工 業 系 |
10 | 準工業地域 | 主に軽工業の工場等、環境悪化の恐れのない工場の利便を図る地域。住宅や商店も建てることができる。ただし、危険性・環境悪化のおそれが大きい花火工場や石油コンビナートなどは建設できない。 |
| 11 | 工業地域 | 主に工業の業務の利便の増進を図る地域。どんな工場でも建てることができる。住宅・店舗は建てられる。学校・病院・ホテル等は建てられない。 例えば、大規模な工場の隣に社員寮やスーパーがあるような状態など。 | |
| 12 | 工業専用地域 | 工業の業務の利便の増進を図る地域。どんな工場でも建てることができる。住宅・物品販売店舗・飲食店・学校・病院・ホテル等は建てられない。福祉施設(老人ホームなど)も不可。住宅が建設できない唯一の用途地域でもある。 | |
不動産投資において、キャッシュフローに一番大きな影響を与えるのがローン金利です。安い金利で融資を受けられれば、キャッシュフローは大助かりですが、ローン期間中に変動金利が少し上昇しただけでキャッシュフローは悪くなります。
90年代初頭のバブル崩壊後の超低金利政策により、日本は歴史的な低金利が続いており不動産投資にとっては好条件が続いています。2006年、そして2007年と日銀公定歩合の引き上げが行われたものの、まだまだ低金利状態であると言えます。しかし、不動産投資を行う際今後20~30年にわたりローン返済を続けていくにあたり、今後もずっと低金利時代が続くとは限りません。
不動産購入時にローンを組む際は、できるだけ低金利のローンを組めるよう努力し、そして、ある程度金利が上昇したとしてもキャッシュフローが悪くならない物件を選択する必要があります。ローン金利の違いによりどれだけ返済額が変わってくるかを見ていきましょう。
1億円を金利2~5%で借りた時の毎月の返済額
| 金利2% | 金利2.5% | 金利3% | 金利3.5% | 金利4% | 金利4.5% | 金利5% | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10年返済 | 92万円 | 94.3万円 | 96.6万円 | 98.9万円 | 101.2万円 | 103.6万円 | 106.1万円 |
| 20年返済 | 50.6万円 | 53万円 | 55.5万円 | 58万円 | 60.6万円 | 63.3万円 | 66万円 |
| 30年返済 | 37万円 | 39.5万円 | 44.9万円 | 42.2万円 | 47.7万円 | 50.7万円 | 53.7万円 |
上記の通り、金利が0.5~1%上昇するだけで一棟マンション投資において、空室が1室増えると同じくらいキャッシュフローが悪くなるのが分かります。
金利上昇の対策方法
第一の基本は、安い金利で借りること。銀行でローンを組む際は、不動産会社の紹介を受けることにより0.1~0.5%の優遇金利を受けられる可能性があります。優遇金利を受けられるかどうか不動産会社に聞いてみましょう(そのような不動産会社と仲良くなりましょう)。また、できるだけ安いローンが組めるよう、複数銀行へ融資交渉を行いましょう。最初の金利が0.5%違うだけで、返済総額は大きく違ってきますので、金利を安くするための努力は惜しまないようにしましょう。
次に、ローン返済期間中に金利を下げて貰う交渉をしましょう。変動金利でも、途中で金利を下げることができます。銀行によっては、ローン開始から1年以上経過すると、交渉により金利を下げて貰える場合があります。銀行によっては、毎年4月、9月などの決まった時期に金利見直しを行うことがあるので事前に銀行の担当者の方に聞いてみましょう。銀行内で金利を下げるためには、担当者が稟議書を書いて上司に提出し、そして上司に了承してもらう必要がありますので、より有利に交渉を進めるために、ローン返済遅延は絶対に行わないように、また、できれば賃料収入とローン返済銀行を同じにし、毎月賃料が入ってもその都度全額下ろさずできるだけ銀行の平均残高を上げる努力をしましょう。毎月可能な範囲で積み立て定期を行うのも、銀行に対して好印象を与えることができます。そうです。1億円以上の融資を受けている場合は、金利が0.5%下がるだけで、空室が1室埋まるのと同じ効果があるのです。
高い金利でローンを組んだ後、金利下げ交渉を行っても下がらない場合は、借り換えも視野に入れましょう。ただし、通常銀行ローンの借り換えを行う場合、全額一括繰上返済を行うと、ローン残高の2%前後の違約金が発生することがあります。一括繰り上げ返済を行う際の違約金については、ローン契約書をよく確認してみましょう。違約金を払っても、安く借りられる銀行に借り換えできるのなら、借り換えを検討してみましょう。いつでも借り換えを行えるように、違約金+次に借りる銀行へ支払うローン手数料分くらいの蓄えを作っておきましょう。
Tags: リスク
路線価とは、土地の価格を示す値の一つで、道路に面した1平方メートルあたりの土地の評価額を表し相続税や贈与税の土地などの評価に用います。毎年7月に発表されます。路線価には固定資産税路線価と、相続税路線価の2つがあり、固定資産税路線価については各市町村が算定し、相続税路線価については、各国税局がそれぞれ算定しています。
固定資産税路線価は、総務大臣の定めた固定資産税評価基準に基づき、不動産鑑定士による鑑定評価等を基に算定した正常売買価格を基準として算定しています。
相続税路線価は、評価時点を毎年1月1日としており、公示地価、不動産鑑定士等による鑑定評価額、取引実例価額、地価精通者意見価格などを参考に、公示価格の80%程度を基準に評価しています。
路線価に書かれている各道路の数字の意味は、その道路に面した土地の1平方メートルあたりの価格で、単位は1000円です。坪単位の価格ではありませんので注意が必要です。
例えば、路線価図に700という数字が書かれている場合は、その土地の路線価は700×1000=70万円/㎡という意味になります。路線価図の数字から、坪単価あたりの計算するには、1坪=3.3㎡のため、700という数字が書かれている場合は、70万円/㎡=70万円×3.3/坪=231万円/坪という計算になります。
関連リンク: 路線価図・評価倍率表 – 過去3年分の全国の路線価を調べることができます。
関連用語: 路線価, 固定資産税路線価, 相続税路線価, 公示地価, 時価, 実勢価格
収益還元法とは、不動産の鑑定評価方法のうちの一つです。例えば、その不動産の存在するエリアで築15年の鉄筋コンクリート造マンションが表面利回り10%で取引されていたとすると、年間賃料収入3000万円のマンションを収益還元法により価格を算定すると、
不動産価格 = 年間賃料収入 ÷ 表面利回り = 3000万円 ÷ 0.1 = 3億円
になります。つまり、年間賃料収入の高い物件ほど価格が高いという計算になります。ここでいう表面利回りのことを還元利回りと言います。人気エリアでは還元利回りは低くなり、不人気な地方都市に行くと還元利回りは高くなります。利回りが高い物件と思っても、実際は空室率が高いため実質利回りはそれほど高くない場合もあるので投資物件を選ぶ際は利回りのみを追い求めるのでなく、総合的に価値を判断しましょう。
関連用語: 収益還元法, 原価法, 取引事例比較法
買付証明書とは、不動産の購入希望者が売主または仲介業者宛に不動産を購入する意志がある旨表明する書面のことです。買付証明書は、あくまでも購入者の一方的な意志の表明であり、証明書の提出者と売買契約を結ぶかどうかは売り主が判断します。また、買付証明書は売買契約書ではありませんので、買い主側が後で撤回することもできます。
しかし、良さそうな物件だからといって、軽い気持ちで買付証明書を提出するのはやめましょう。買付証明書を受けて仲介業者は、売り主との調整に入りますので軽い気持ちで白紙撤回を行うお客にはその後良い物件を紹介してもらえない可能性があります。
売り主は、買付証明書提出者の中からどのように契約者を選ぶのでしょうか?
良い物件には、同時に複数の買付証明書が入ることがあります。売り主はその中から、どの買い主に売りたいかを決定します。通常は早い者勝ちかというとそうではありません。より確実で、より有利な条件の買い主を選びます。例えば、ローン特約条項を希望する人、希望しない人がいれば、決済に至る可能性が高いローン特約無しの人を選ぶでしょう。また金額の違いがあれば、より高い人を選ぶでしょう。その他の条件が変わらないなら、決済の希望日や、買い主の属性などを判断した上で契約相手を選びます。
買付証明書のことを、買付申込書または購入申込書とも言います。
ローン特約とは、指定の金融機関または指定の条件で融資が通らなかった時に売買契約を白紙撤回できる特約条項のことです。融資特約ともいいます。売買契約書にローン特約条項を入れる場合は、金融機関や利率などの条件を明記しておくことが重要です。例えば、「銀行または提携ローンにより融資が通らなかった場合は本契約を白紙撤回し、手付け金を無利息で買い主に返還するものとする。」という曖昧な記載の場合、高い利息の提携ローンを紹介されて不利な条件で購入するか、または契約解除する場合は高額な違約金を請求されることもあります。
容積率とは、建築物の広さに対する基準の一つで、敷地面積に対する延床面積の割合のことです。例えば、容積率80%のエリアで敷地面積が100㎡ある場合、
延床面積の上限 = 敷地面積 × 容積率 = 100㎡ × 80% = 80㎡
となり、80㎡の延床面積の建物を建築することができます。また、住宅の地下室は条件によっては容積率の不算入にできます。
なお、容積率は、前面道路幅によっても制限されます。
関連用語: 建ぺい率, 容積率