フルローンとは

不動産投資において、フルローン(全額ローン)とは不動産を取得する際に自己資金を殆ど使わず融資の大部分を借り入れにより調達する手法のことです。しかし、昨今、銀行の融資に関する銀行内規定が厳しくなりつつあり、物件価格の9割までしか融資しない、7割までしか融資しない(その分自己資金が必要)という状況になりつつあります。そんな厳しい中でもフルローンを受けられる裏ワザがあります。

フルローン可能な物件とは

フルローン可能な物件とは、担保価値の高い物件です。数年前まではフルローンを組める収益物件、フルローン融資可能な金融機関も多数ありましたが、現在ではそのような物件も少なくなってきました。なぜならば、平成バブル崩壊後ほんの数年前まで不動産の価格は下降し続け、実取引価格は安くなっていても路線価や公示価格は高止まりしたままのため物件売買価格に対して評価額が相対的に高く、また昨今のように個人投資家による不動産投資ブームも無く比較的安い価格で不動産を購入することができたためです。2007年ころにかけて、金融機関も融資基準を緩和し比較的フルローンを組める物件も市場に出回りました。しかし、2007年暮れ以降、サブプライムローン問題や、外資資本による日本国内の不動産ミニバブルが崩壊に向かい金融機関の融資基準が一段と厳しくなりつつあり、フルローンが組める可能性が低くなってきました。

フルローンを組める物件の探し方

フルローンが組める物件=担保価値の高い物件=安い価格で購入できる物件=収益還元法による評価額の高い物件=キャッシュフローの良い物件=誰もが購入した物件=人気物件のため、市場に出回るとすぐに売買が成立または市場に出回る前に取引が行われてしまいます。そんな、掘り出し物物件を見つけるためには、

1.いつでも不動産を購入できる準備を整えておくこと。
2.投資不動産に関する早い情報を持つ不動産業者、担当者と密に連絡を取り、良い情報を流してもらえる体制を整えておくこと。
3.良い物件を見つけたら、すぐに動き(物件調査、購入を決断し)買付け証明を入れ動くこと。

です。

フルローン融資を受けるための裏ワザ

ある銀行から融資を受ける際、銀行内で物件価格の9割までの融資しか受けられないという規定があった場合、1億円の物件を購入しようとすると諸費用まで含めて通常1億1500万円程度の資金が必要ですが9割融資のため9000万円までしか融資を受けることができません。つまり、約2500万円の自己資金が必要となります。

しかしここで、当初1億円で売り出されていた不動産を最終的に7500万円で購入できた場合、1億円で売り出していた際の物件資料や1億円で売買したと記入されている売買契約書を作成して銀行にコピーを提出することにより1億円を基準にした融資9000万円を受けたとしても、物件価格7500円+諸費用を含めたフルローンを受けることができます。融資を受ける際に銀行宛に提出する契約書は原本実物でなくても構いません。

※ただし、この手法を使うには、不動産仲介業者や売主の協力を得る必要があり、不動産会社によっては銀行からの取引停止を恐れて対応してもらえない場合があります。

※追記(2009年7月):2009年4月以降、昨今のサブプライムローン問題の影響等もあり、フルローン融資は非常に難しくなっております。自己資金10%以上を目安に物件をお選び下さい。

融資の裏ワザ: フルローン, にこいち